SHIMA SEIKI 島精機製作所

トンボ様

Pattern Matching Premiumの導入で
ジェンダーレスの時代に適した超多品種少量生産のモノづくりを実現

株式会社トンボ

トンボ様は1876年に創業し、足袋の製造・販売からスタートしました。その後1930年に学生服の生産・販売を開始し、1955年には体育着の生産・販売へと事業を拡げていきました。1997年には介護ウェア、2009年にはメディカルウェアの販売に着手し、現在は学生服・スポーツウェア・ヘルスケアを3本柱に、ご満足いただける「最良の一着」を目指した製品づくりと品質管理、そして「納期までに必ずお届けする」生産体制を整えています。

スクールユニフォームのルーツ

日本の学校で制服が導入されたのは明治時代で、着物から洋服への移行時期と重なります。近代教育を象徴させるため、学習院や帝国大学で洋装(詰襟)が採用されました。女学生は、当時の時代背景からすぐに洋装化が進まず、時代と共に少しずつ変化を重ねていきます。大正時代には男女ともに洋装制服が取り入れられるようになり、その後、学生服が広く普及していきました。

スクールユニフォームのルーツの展示

制服の歴史を辿ると、日本、そして世界の歴史や文化の変遷に触れることができます。1996年に開設したトンボ様のユニフォームミュージアムでは、飛鳥奈良時代に始まった日本の教育の歴史や、近代制服のルーツとなった英国制服などが展示されています。

変化するスクールアイデンティティに柔軟に対応

1976年、トンボ様は学校ごとに異なる学生服のスクールアイデンティティを提唱し、多品種・短納期生産の基盤を構築することで、学校からの期待に応え続けてきました。近年ではLGBTQの観点から、全国で「多様性に対応する制服の在り方」が問われるようになり、ジェンダーレス制服への改定が加速しています。以前は学ラン=男子学生、セーラー服=女子学生というイメージが一般的でしたが、ブレザー・スーツスタイルを採用する学校も増加しています。

トンボ様のジェンダーレス制服

性別にこだわらず、自由にアイテムを組み合わせることができる選択肢を設けたことで、性の多様性を含めたさまざまなニーズに柔軟に対応できるようになりました。トンボ様は、すべての学生にとって着心地と心地(気持ち)が良いものを提供することが、制服メーカーの使命だと考えています。

小ロットの柄裁断を効率よく正確に実現するP-CAM®160 Pattern Matching Premium

ジェンダーレス制服の普及に伴いスラックスの需要が増加。さらには以前に比べてチェック柄やタータン柄など柄物のラインアップも拡大したことで、ボトムの柄合わせ裁断の需要が急増しました。この対応には、小ロット裁断をいかに効率よく正確におこなっていくかが鍵となります。

裁断風景

そこで、以前からご使用いただいているSHIMA SEIKIの自動裁断機P-CAM®シリーズのPattern Matching Premium仕様が増設されました。トンボ様の本社工場では、P-CAM®181を含むSHIMA SEIKIの自動裁断機P-CAM®シリーズを計12台、もう一つの関連工場である美咲工場にも、P-CAM®シリーズを9台導入いただいております。SHIMA SEIKIの自動裁断機を導入するメリットのひとつは、高品質な裁断精度と裁断スピードを実現できることです。また、連続裁断機能も備えているため、裁断の入力や設定が連続して可能となり、トンボ様のニーズにお応えすることができました。

スクール生産課長の東氏/SHIMA SEIKIの自動裁断機P-CAM181

スクール生産課課長の東氏は「P-CAM®の機能、ランニングコストも含めたコストパフォーマンスが他社裁断機と比較して優れていたことも導入の決め手になりました。また、メンテナンス対応や新機能の開発に前向きなSHIMA SEIKIの体制にも好感を持っています。裁断機には必要不可欠な要素である『壊れない設計』も、メイドインジャパンのクオリティを誇る同社の製品ならではです。」と話されています。

学生服の一般的なリードタイムは7~10日ですが、学生服の注文が集中する3月のピーク時には、リードタイムを一時的に7日から3日に短縮する生産システムをトンボ様は実現しています。P-CAM®シリーズ導入前の手裁断と比較すると、裁断能力は5倍以上アップしました。また、学生服はリピート注文が多いため、5,000種類を超える生地パターンをパターンピッチも含めて登録しておくことで、リードタイムの短縮・裁断作業の効率化が図れています。

品質の高さに加えて、どこよりも短サイクルで多品種少量生産を実現してきたトンボブランドの礎を守り、最良のユニフォームメーカーを目指している同社は、SHIMA SEIKIにとっても大切なパートナーです。

持続可能な社会を目指して

「WE LOVEトンボ」絵画コンクールの作品

トンボ様は「人と自然を大切にした価値ある製品づくりを」というコーポレートスローガンのもと、持続可能な社会を目指したサステナブル経営を推進しています。回収されたペットボトルを原料とした再生ポリエステル繊維や天然由来原料の使用を促進したり、無水染色による昇華転写プリントを導入したりと、環境に配慮した製品は全体の62%に上ります。また、丈夫な素材や縫製仕様はもちろん、学生の成長に合わせて長い間使える「成長設計」を施すなど、製品ライフサイクルの長寿命化を促進しています。

LGBTQ時代を見越した未来への取り組み

ジェンダーレス制服/取締役生産物流統括本部副本部長の井原氏

トンボ様はLGBTQ活動団体ELLY代表の山口颯一氏をアドバイザーに迎え、性の多様性に対応したジェンダーレス制服の開発に取り組んでいます。取締役生産物流統括本部副本部長の井原氏は「今後もLGBTQによるブレザーへのシフトはさらに進んでいくと考えられるため、柄裁断の小ロット多品種化が進むことが予測されます。現在はP-CAM®160 Pattern Matching Premium仕様を2台導入していますが、場合によっては増設も必要となります。裁断の自動化の推進を進めるにあたっても、SHIMA SEIKIのますますの機能の充実を期待しています。」と話されています。

高い技術力と生産システムを武器に、日々変化する社会に柔軟に対応し、“衣”を通して生活に彩りを添えられるよう、これからもSHIMA SEIKIはトンボ様と共に誰もが自分らしく輝ける未来を創っていきます。

株式会社トンボ

株式会社トンボ

創業 1876年
所在地 岡山県岡山市/東京都台東区
事業内容 学生服の生産・販売
URL https://www.tombow.gr.jp/

最適な機種やサービス、ソリューションは、お客様の課題や状況に応じてご提案させていただきます。
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